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鈴木啓太×片山正通

センスのあるプレイをするためには、センスのよいものを身につけ、センスの良いものに囲まれて暮らすことも重要。そう昔から一流選手は、一流をめざそうと志した時点で、あえて高くても良い物を身の回りにおくことで、それに釣り合う自分になるよう自らプレッシャーをかけたという。そんな鈴木啓太が注目したのが、A BATHING APEなどをはじめ、さまざまな店舗デザインを手がけるインテリアデザイナー、ワンダーウォール片山正通氏。インテリアやプロダクトデザインでトップを走り続ける、そのデザインセンスの根底にあるものを盗もうと、興味津々で対談はスタート。

司会進行・構成=山崎祥之
撮影=宇尾野雅史

プレッシャーとの付き合い

片山正通(以下K):素朴な質問なんですけど・・・日の丸を背負ってる訳じゃないですか。気分てどうなんでしょう?プレッシャーとか。
鈴木啓太(以下S):やっぱりプレッシャーはありますね。これだけの人が応援してくれていることでの責任ってあると思うんですよ。国の代表と言う事ですからね。この国がどうだとかそんな大きなを背負っているわけではないのですが、この国って弱いんだとか思われたら悔しいし、もっと単純にいえば喧嘩は勝たなくてはいけないわけですし。そういう事を感じとれましたねオリンピック最終予選では。そのときは自分たち自身もどうなるかわからないけど、毎回満員状態のサポーターの方々によって支えられた感じです。
K:ピッチの上での気分ってどうなんですか?
S:本当に試合前は泣きそうになりますよ。自分達のために時間を作ってくれて、これだけの人が応援してくれて、それってすごいことだし、なかなか経験できることではないですからね。でも前の日は寝れないですよ。
K:それって緊張とか興奮とかそうゆう事ですか?
S:Jリーグの試合に出る時とか、さかのぼればデビュー戦の時とも全然違います。「オリンピックは出場できて当たり前」っていう世間の目もひしひし感じましたし。しかも僕は、試合前日寝る前に、勝った時と負けた時の事を考えるんです。それは勝った時はいいですけど、負けた時の事を想像するとものすごく恐怖心がわき上がってくるんです。逆にその恐怖心があるから勝たなくてはいけないと思えてくる。負けを知っている人は強くなれるって言うじゃないですか。極限状態のなせる技ですよ。負けちゃうとチームも終わりだし、自分たちの評価も落ちる。勝てば家族や友人、そして支えてもらっている方々やサポーターの方々も喜んでくれる。
K:サポーターの方たちって選手に乗り移ってますよね。勝ち負けが自分の事のようになっている。それをピッチで見ているのってどんな気持ちなんだろう?って思いますよ。
S:いや、もうあれは体験したくない(笑)って気持ちがある一方で、もう1度あそこでやったら、違う楽しみ方ができるんだろうなとも思います。
K:でもやっぱりキャプテンだから全メンバーの中でも一番プレッシャーがありますよね。
S:でも、本当に皆、頑張ってくれていたし、支えられもしました。とにかく、自分がキャプテンでオリンピックに出れないという結果だけは絶対に残すまいと思いましたね。
K:でも結果がどうであれ、誰もが経験できることではない経験をできるのはすごい事です。予選の前と後って何か変わりました?
S:やはり、今までのサッカー人生の中で一番の極限状態だったので。もう怖いものはなくなりましたね。明日がこないで、そのまま明後日になって欲しいっていう気分は何とも言えません。でも不思議なもので、今はこれ以上の大きな波を乗り越えたいという気持ちも沸いてきていますね。
K:さっきの、負けた時のイメージトレーニングの話ですが、それでかえって、ガチガチになる人もいますよね。考え込んじゃって。
S:たぶんピッチに立っちゃうと結構、プレッシャーには強い方なんでしょうね。緊張すればするほど何も考えず勇気をもって行けるし。でもこれからもっとプレイ中の気持ちの波をうまくコントロールできるようにしていきたいです。
K:気持ちが高ぶってても冷静でいなくてはいけない。そういうコントロールってすごいなぁ。
S:いや、そんなにすごくないですよ。
K:僕の場合、クライアントと交渉する際、予算の事などでもいろいろな困難があったりするんですよ。そうやってやりとりをしてつくっていくんですが、その間には怒ったり、怒られたり、なだめたりみたいないろんなことがあります。でも最終的にはクライアントのためにいいものを作りたいっていうか、そのお店は流行るものでなくてはいけなし、僕の『これ作りたい!』っていう自己中心的なアイディアだけでは駄目なんです。
でもそれはある意味面白いですよ。逆に、お金も、なんでも自由で好きにやっていいですよ。って言われると、ある意味どうしていいのかわからなくなってしまいますね。
S:サッカーでもそうですね、ある程度監督からの制限とかがないと、自由にやっていいよって言われるとふわふわ浮いてしまうような感じがあります。がんじがらめになるのは、どうかと思うけど、制約の中で、自分で答えを見つける楽しさはありますよね。
K:僕の世界でいうコンセプトですよね!どう戦っていくかというテーマとか、その具体的な戦い方ですね。

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